eエコチル調査が本格化

  • 2014.01.27
  • 情勢/テクノロジー
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公明新聞:2014年1月27日(月)付



14年度から10万組の親子対象に
健康と化学物質の関係解明へ



2014年度から、環境中の化学物質が子どもの成長・発達に与える影響について長期的に調査する「子どもの健康と環境に関する全国調査」(エコチル調査)が本格化する。環境省の企画立案の下、独立行政法人・国立環境研究所を中心に全国15地域の大学や医療機関などと連携して行う。



安心の子育て環境へ政府が各機関と連携

公明党が推進

エコチル調査の流れエコチル調査は、安全で安心な子育て環境の実現を目的として子どもと両親10万組を対象に登録。2011年8月以降に子どもが生まれた家庭や、今年3月末までに母親の妊娠が判明すれば参加することができ、今月6日現在、全国で9万2062人(母親)が協力を表明している。

調査の背景には、1970年代以降、子どもの健康に関して大きな変化が見られることがある。

ダウン症候群や水頭症などの先天異常の子どもが生まれる頻度は、70年代後半と比べ2000~04年は約2倍に増加。学校保健統計によると、子どものぜんそくの被患率や肥満傾向の割合も増えている。

米国でも自閉症の割合が増加するなどの事例が相次ぎ、こうした子どもの変化は世界的に進む工業化などによる大気や水の汚染が主な原因と指摘する声が少なくない。

このため、エコチル調査では、化学物質の影響を受けやすいと考えられている子どもの胎児期から小児期を経て13歳の誕生日を迎えるまでの期間を追跡。化学物質の測定・分析を通して、環境因子や生活習慣などが子どもの健康にどのように影響するかを解明していく。

調査は、妊娠期、出産期、赤ちゃんの1カ月健診時とし、母親に対する血液や尿、母乳の採取、赤ちゃんの毛髪の採取などを実施。生後6カ月から13歳までは半年ごとのアンケート調査に加え、数年ごとに面接調査などを行うとしている【図参照】。

11年から既に協力する医療機関で妊婦健診を受診した妊婦に調査への協力を依頼しており、血液採取など一部の調査を終えた人もいる。

またエコチル調査の実施に当たっては、世界保健機関(WHO)などの国際機関や米国環境保護庁などと連携した上で、得られた知見を調査に生かすことになっている。

公明党は、化学物質から子どもの健康を守る取り組みを進めるため、エコチル調査の導入を積極的に推進。13年度補正予算案には10億円、14年度予算案には約47億円がそれぞれ計上され、調査が加速することになっている。

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