e医療、介護など一体で提供

  • 2013.12.17
  • 情勢/解説

公明新聞:2013年12月17日(火)付



自治体と意見交換し制度化を支援



党地域包括ケア本部

公明党は先週、高齢者が住み慣れた地域で医療や介護などのサービスを切れ目なく一体的に受けられる「地域包括ケアシステム」の構築に向けて推進本部を設置した。

同システムは、主に在宅の要介護高齢者が、医療、介護、介護予防、生活支援、住まいの各種サービスを一体的に利用できるようにする体制である。政府は、おおむね30分以内に必要なサービスが提供できる環境をめざしている。

実現するためには、医療や介護をはじめ五つのサービスを受けられる体制を整えなければならない。医師や福祉専門職の連携強化も求められる。こうした環境が整えば、病気で入院した高齢者が、退院後も地域のリハビリ施設を利用しながら、再び自宅で生活できる。

厚生労働省の調査によると、高齢者の7割が「介護を受けながら自宅で暮らしたい」と望んでいる。地域包括ケアシステムが確立されれば、高齢者のニーズに応えることが可能になる。介護する家族も、遠隔地の施設まで行く必要がないので負担は軽くなる。

政府の社会保障制度改革国民会議も必要性を提言している制度だが、具体化するには、自治体の取り組みが大きな比重を占める。

例えば、市区町村と都道府県の間で住宅整備に関する計画の内容に食い違いがないよう、介護や住まいのニーズを的確に把握し、策定する必要がある。

医療や介護の専門家に加えて、地域の幅広い支え合いが欠かせない。住民や民生委員、ボランティア、商店街の店主などの協力がないと運営は難しい。まちづくりの側面もあるため、地域住民との話し合いも重要である。

党の推進本部は、地域の実情やニーズを探るため、住民の要望を詳細に把握していく。特に、都市部と地方で異なる意見を幅広く吸い上げる考えだ。

東京都内のある区では、NPO(民間非営利団体)や事業者、大学、行政など約70団体が連携・協力して、高齢者の社会参加の場づくりが活発に行われるとともに、行政が低所得高齢者の住まいの確保なども進める。三重県には、高齢者が多く暮らす団地の中心の「空き店舗」を有効活用し、孤立化防止へ拠点整備に取り組む自治体もある。

先進自治体の視察、調査活動も党の推進本部の重要な活動となる。先進自治体との意見交換によって、サービス向上の在り方を検討し、システムの確立を後押しする方針である。

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