e被災地の健康管理 不安解消を最優先に

  • 2013.11.14
  • 情勢/解説

公明新聞:2013年11月14日(木)付



住民の要望を踏まえ国の方針示せ



東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け、福島県やその周辺に住む人たちの健康管理に関する国の方針を検討する専門家会議の初会合が11日に開催された。

同会議は、国が放射線による影響や必要な支援を検討する「子ども・被災者生活支援法」の基本方針が閣議決定されたことを踏まえ、環境省に設置されたものだ。来年度初めに報告書を取りまとめる予定である。

福島県では、放射線量が健康に与える影響について不安を訴える住民は非常に多い。議論を急ぎ、国の明確な方針を示すべきだ。

原発事故後の県民の健康状態を管理するため、福島県は定期的に県民健康管理調査を実施している。主な内容は、体内に存在する放射性物質を体外から計測する装置・ホールボディカウンターによる検査と、子どもたちの健康を長期的に調べるため、震災時に18歳以下だった人を対象に行う甲状腺検査である。

同会議は、この調査などを踏まえ、福島県以外でも局所的に放射線量の高い地域を中心に住民の被ばく量を把握し、健康への影響を評価する基準や健康診断を実施する範囲、医療費の減免など必要な支援を科学的な見地から議論する。

ただ、福島県の県民健康管理調査は、住民からさまざまな課題が指摘されている。会議では、住民の要望を踏まえて議論に反映させてもらいたい。

例えば、健康管理調査はいつまで実施するか期限が決まっていない。被災地の健康管理は長期的に取り組むべき問題であり、支援や調査を恒久的に実施すべきとの意見が根強い。また、甲状腺検査の対象拡大とともに、体内のさまざまな病巣を発見することが可能な磁気共鳴画像装置(MRI)を導入した検査の実施なども求められている。

県外に避難した人たちの検査態勢の在り方も課題だ。一例を挙げれば、青森県に避難すると検査を受けられる医療機関は弘前大学医学部付属病院しかない。病院の遠隔地に住んでいる人は、検査を受けるための時間の確保や交通費の負担は大変だ。きめの細かい支援が必要になる。

同会議では、世界保健機関(WHO)が示した福島県民の被ばく線量推計や国連科学委員会の健康に対する影響への報告書なども示され、検討される。

福島県の要望とともに、国際機関との連携を強化し、実効性のある支援策を示してもらいたい。

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