e会計検査院が指摘 お粗末なインフラ点検

  • 2013.11.14
  • 情勢/解説

公明新聞:2013年11月13日(水)付



「予防保全」めざし管理体制見直せ



会計検査院は先週、2012年度の決算検査報告書を安倍首相に提出した。報告書では国や独立行政法人などの事業に対し630件、約4907億円の問題点が指摘されている。

今回の報告書は、公共インフラ(社会基盤)の維持・管理について重点的な調査が行われたのが特徴だ。

例えば、高速道路をまたぐ陸橋(跨道橋)の調査では、全国4484橋のうち635橋で全く点検がされていないことが判明した。点検記録が不明の橋も548橋に上る。

点検が行われた3301橋でも、そのうち1990橋が側面などを遠くから目視するだけだった。会計検査院から「点検として十分とは言えない」と指摘されても、やむを得ない。

陸橋は高速道路会社が建設して、自治体が管理責任を負う場合が多い。

だが、小規模な自治体ほど、点検に必要な人手やノウハウが不足し、管理が不十分になりがちだ。ノウハウや機材を持つ高速道路会社に点検・補修を委託するなどの工夫で万全を期してほしい。

万が一、修繕が必要な陸橋からコンクリート片が落ちたり、大地震などで損壊したりすれば、高速道路を走る車を巻き込んだ大惨事につながりかねない。チェック体制の見直しを急ぐべきだ。

先月から山梨県などで、陸橋を管理する国や自治体、高速道路会社による連絡協議会が発足し、陸橋に関する情報の共有化を進めている。このような連携の機会を増やしていくことが重要だ。

他の公共インフラの維持・管理についても同じような対応が求められる。

国が管理する全国11の国道のトンネルでも、点検の不備が見つかった。

国の点検マニュアルによれば、点検は02年度に行われ、それ以降の点検間隔は2年または5年に一度である。だが、会計検査院の調査によると、この11トンネルでは10年近く、一度も点検が行われていないことが分かった。

補修工事をした場合、その5年後に点検を行えばいいと、マニュアルを読み誤ったことが原因だ。お粗末すぎる。

点検で不具合が見つかれば、早めに補修する「予防保全」が重要になる。状況が悪化してから改善する「事後保全」に比べ、費用が抑えられ、インフラの長寿命化も期待できる。

インフラの管理は、国民の生命や安全に関わる問題である。国や自治体は自覚を高めて取り組んでほしい。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ