e経済「好循環」実現を

  • 2013.10.18
  • 情勢/社会
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公明新聞:2013年10月18日(金)付



回復の恩恵家計、地方に
軽減税率導入へ制度設計急げ
衆院本会議で 井上幹事長



衆院は17日午後、本会議を開き、安倍晋三首相の所信表明演説に対する各党代表質問を行った。公明党の井上義久幹事長は、現場第一主義で庶民に寄り添う政治姿勢を貫き、諸課題の解決へ「国民的な合意をつくりつつ結果を出す」と強調。景気回復の恩恵を家計、中小企業、地方へつなげる経済政策の推進、安心で持続可能な社会保障制度の構築、復興加速化などを訴えた。質問と政府答弁の要旨

高額療養費見直し 低所得者は引き下げよ
子育て新制度施行 財源、準備に万全期せ
震災復興の加速化 汚染水抜本対策が必要


【経済再生】井上幹事長は、賃金が上がり、消費が拡大し、企業収益が増加する「経済の好循環」を生み出すため、「景気回復の恩恵を家計へ、中小企業へ、地方へつなげることが最重要課題だ」と強調。「政労使」の連携によって賃金上昇につなげる積極姿勢を首相に求める一方、中小企業支援策強化や、観光資源などを生かした"地域発"の成長戦略の策定と実行を提案した。

これに対して、安倍首相は、各団体や企業に賃上げの取り組みを要請するとともに「賃金の動向を調査し、効果を検証し、その結果を適切な形で公表する」と答えた。

【消費税率引き上げ】井上幹事長は2014年4月からの消費税率引き上げの目的は、社会保障制度の安定・充実を図ることだと強調。一方で税率引き上げの影響緩和として、子育て世帯など中堅所得層にも配慮すべきだと主張したのに対し、安倍首相は「新たな経済対策で女性・若者向け施策として、子育て支援などを盛り込む」とし、これらの施策で対応を図ると答えた。

また井上幹事長は、軽減税率の導入を約7割の国民が望んでいるとして、制度設計を急ぐよう求めた。

【社会保障】社会保障制度改革のうち高額療養費制度の見直しについて井上幹事長は、対象範囲が広い「一般所得」の区分を見直し、低所得者の限度額を引き下げることを重ねて提案。また、15年4月の「子ども・子育て新制度」の本格施行へ向けた準備と、追加財源の確保は重要な課題だと訴えた。

このほか井上幹事長は、生活困窮者が増える中で重層的なセーフティーネットの構築を主張。安倍首相は前通常国会で廃案となった生活保護関連2法案の速やかな審議と成立を要請するとともに、生活困窮者支援などに活用する補助金も財源確保に努めると述べた。

【震災復興】東日本大震災の復興加速化について井上幹事長は「きめ細かな支援策を講じていく必要がある」と指摘。東京電力福島第1原発の汚染水問題では、貯蔵タンクの信頼性向上や風評被害防止などを強く求め、抜本解決に向けた安倍首相の決意をただした。

安倍首相は「予防的かつ重層的な対策を講じていく」と答えた。

また、井上幹事長は、災害公営住宅の建設などを進めるための土地取得が難航している点に関して「特例制度の創設も検討すべきではないか」と提案した。

【防災・減災】井上幹事長は、先月に発生した竜巻で甚大な被害を受けたにもかかわらず、被災者生活再建支援制度の対象外となった自治体がある点に言及。災害規模要件の撤廃や、同一の自然災害で被災した自治体全てを対象とするなど「被災者の立場に立って(同制度を)見直すべき」と述べた。

このほか「防災・減災等に資する国土強靭化基本法案」を早期成立させ、防災・減災対策を行うべきとした。

太田昭宏国土交通相(公明党)は、インフラの老朽化対策やメンテナンスに重点を置いて取り組むと答えた。

【TPP】「年内妥結」に向けた協議が進む環太平洋連携協定(TPP)交渉に際して、井上幹事長は「国益を追求する」との基本方針や、コメなど重要5項目の関税撤廃対象からの除外などを求める衆参両院の農林水産委員会での決議を守ることを要望した。安倍首相は「方針に変更なく、決議を受け止め交渉する」と答えた。

【農林水産】井上幹事長は、「農地中間管理機構」(農地集積バンク)の創設に言及。「耕作放棄地を解消し、担い手に農地を貸し付けられるよう効率的な機構を構築すべき」と訴えた。

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