e女性管理職 官民連携で登用促進を

  • 2013.08.19
  • 情勢/社会

公明新聞:2013年8月19日(月)付

 

キャリアアップ支援の強化を急げ

 

民間調査会社の帝国データバンクが先週発表した調査結果によると、管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合が「ゼロ」と答えた企業が47.6%に及び、女性幹部の登用が進まない実態が浮き彫りになった。

男女雇用機会均等法が施行されてから四半世紀以上が過ぎ、雇用者全体に占める女性の割合は、4割を超えた。

欧米主要国の45%前後と比べても遜色はない。女性が、さまざまな職場で活躍しているのは事実だ。

ところが、管理職の割合は海外と日本を比較すると大きな開きがある。

米国は43.0%、フランスは38.7%を占める。雇用者全体に占める働く女性の比率と、あまり変わらない。優秀で意欲のある女性は、職場の貴重な戦力として認められている実態がうかがえる。

しかし、日本の登用率は11.1%と極端に低い。女性の労働人口が増えても、なぜ管理職の比率が低いのだろうか。

政府は成長戦略のキーワードとして「女性の活躍」を掲げた。国際競争を勝ち抜くためにも、女性の視点を生かした商品開発などに期待がかかる。女性管理職が増えれば、女性が働きやすい職場となり、仕事と家庭の両立がスムーズになる。その意味でも女性リーダーの存在は重要である。

女性管理職を増やすためには、出産・子育てによる離職者を減らすことがポイントになる。第1子の出産を契機に約6割の女性が離職すると指摘されているからだ。改善しなければならない。

職場でキャリアを重ねても、離職すると経験や技術が社会で生かされなくなる。子育てを終えて復職しても、補助的な仕事に就くケースが少なくない。この悪循環を断ち切る取り組みが必要になる。

こうした中、子育て中の社員のキャリアアップを支援する企業が出始めたことを歓迎したい。

例えば、教育関連分野のある企業では育児休業中から女性幹部育成の研修を実施し、復帰後の管理職登用に力を入れている。大手化粧品メーカーでも、日常的に人材育成の研修を充実させている。

働き方の見直しも欠かせない。長時間労働が前提の勤務査定では、子育てや介護などの事情を抱えるために限られた時間内で効率的に働き、成果を出しても、正当に評価されるだろうか。

官民が連携して、女性が能力を存分に発揮できる環境整備を急ぐべきだ。

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