eブラック企業を調査 若者の使い捨て許すな

  • 2013.08.14
  • 情勢/社会

公明新聞:2013年8月14日(水)付

 

厚労省が具体的対策
過重労働の監督指導を強化



若者の間で「遅くまで残業しても残業手当がつかない」「休みたくても年次有給休暇がない」など過重労働の悩みが広がっている。

明確な定義はないが、若者などの社員を低賃金で働かせ、長時間労働や過剰なノルマ、パワーハラスメント(パワハラ)などを繰り返し、若者の「使い捨て」が疑われる「ブラック企業」による被害が深刻化している。

極端に離職率が高いなど苦情や相談が多い企業の実態把握が急務だ。そこで厚生労働省は、9月を「過重労働重点監督月間」として集中的な調査や重点的な指導監督を行う。

公明党青年委員会は、若者に対して、劣悪な労働条件で長時間労働を強いる企業への対策の強化をいち早く主張し、一昨年、全国で実態調査を展開。今回の参院選重点政策には「違法の疑いがある企業等に対する立ち入り調査の実施、重大・悪質な場合の司法処分および企業名の公表、一定規模以上の企業に対する離職率等の公表義務化などを検討する」ことを掲げた。

7日に党厚労部会が厚労相に申し入れた要望でも「若者等に劣悪な労務環境の下で、仕事を強いる企業に対する監督指導等の対策の強化」を強く申し入れたところだ。

その結果、9月の取り締まりでは、全国の労働基準監督署やハローワーク利用者からの情報などを基に、約4000社の企業をリストアップし、立ち入り調査を行う。

サービス残業や違法な長時間労働などがないかを調べ、法律違反の場合は是正指導を行うほか、悪質な場合は送検したり、企業名を公表し、ハローワークでの職業紹介の対象から外す方針だ。国には断固とした措置を講じてもらいたい。

一方で、職場で過重労働やパワハラなどのトラブルに遭った時、どこに相談すればいいのか分からない若者は多い。そこで来月1日に全国一斉の無料電話相談(0120.794.713)を午前9時から午後5時まで実施する。2日以降は、近くの都道府県労働局や労働基準監督署にある総合労働相談コーナーで相談を受け付けることになっているので利用してほしい。

政府の成長戦略でも若者の活躍促進を挙げており、ブラック企業を野放しにしていては日本の将来はない。

今回の集中対策はブラック企業問題に本腰を入れる第一歩だ。公明党も若者の悲鳴に真剣に耳を傾け、引き続き対策の強化に全力を挙げていきたい。

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