t「大阪市会決算特別委員会【第6日目】」にて質疑③
2025年11月15日
【指定管理者制度について】
Q4-1(指定管理者制度の課題と対応について①)
指定管理者制度は、「公の施設」の管理に民間事業者等の有するノウハウを活用することにより、多様化する住民ニーズに効果的・効率的に対応していくことを目的としており、令和7年4月1日現在、831の公の施設に導入されている。
この間、我が会派からは、指定管理者を公募する施設において1者応募の増加、なかには応募者がいなくなり不調となってしまうケースも出てきている状況を受け、このままでは企画・提案内容に競争原理が働かず、市民サービスが低下するといった懸念や、場合によっては、指定管理者が不在となり、施設の運営も滞って市民サービスに多大な影響を及ぼすおそれがあることなどを指摘してきた。
1者応募等が増加する背景には、昨今の人件費や物価の高騰の影響もあるのではないかと思っているが、まずはこの間、競争性の確保を図るために取り組んできた内容を確認したい。
A4-1(契約管財局契約部委託・物品契約担当課長)
委員お尋ねのこれまでの取組だが、まず業務代行料については、人件費や物価の上昇を勘案し、適正な労働条件の確保や物価変動等に留意して業務代行料を設定するよう各所属に周知しており、公募の募集要項においても、指定期間中の賃金水準や物価の変動を見込んでいることを明記するようにしている。
その他、老朽化した施設もあることから、施設の修繕を確実に実施するため、指定期間中に必要な修繕費の計画額をあらかじめ本市で決定し、年度ごとで固定化して、施設の維持管理に必要な経費を確保する取組等を行うこととした。またあわせて、迅速な修繕が行えるよう、本市が担う建物の基幹的な部分の修繕のうち、予定価格100万円未満のものは指定管理者が行えるように見直した。
さらに、数年先の運営費が確保されていないということが指定管理者にとって不安要素とならないよう、運営費の安定的確保のため、単年度ごとで予算要求する取り扱いを改め、債務負担行為を設定したうえで、指定期間中の業務代行料総額を協定書において定めることとした。
Q4-2(指定管理者制度の課題と対応について②)
修繕費の固定化をはじめ、債務負担行為の設定や、適正な労働条件の確保や物価変動等に留意した業務代行料の設定などに取り組んだとのことだが、直近に公募を行った指定管理者制度導入施設の業務代行料は、前回公募時に比べ、どの程度増加しているのか。
A4-2(契約管財局契約部委託・物品契約担当課長)
直近に公募した施設における業務代行料の上限額は、例えば、令和7年度の場合、区役所附設会館であれば、23区27施設について公募を行ったところだが、前回の公募時に比べ平均1.5倍以上の増加となっている。
Q4-3(指定管理者制度の課題と対応について③)
業務代行料についても見直しがなされており、今年度公募した区役所附設会館では、前回に比べて平均1.5倍以上の増加となっているとのことだが、これらの対策を講じた結果、競争性は改善されたのかを確認したい。
直近の応募はどのような状況なのか。
A4-3(契約管財局契約部委託・物品契約担当課長)
令和6年度は公募を行った8案件全てで1者応募となったが、令和7年度は10月31日現在、33案件の選定結果が公表されているが、うち2者の応募が9案件、3者の応募が1案件あった一方で、1者応募は23案件であった。
Q4-4(指定管理者制度の課題と対応について④)
令和6年度は公募した案件全てにおいて1者応募であり、令和7年度についても現時点で33案件中、23案件で1者応募とのことである。
事業者の参入意欲を高め、企画・提案内容の競争性を確保するための取組がまだまだ必要だと感じる。
私が、令和5年3月の財政総務委員会でも指摘したように、指定管理予定者の選定時に、提案された企画内容を評価する項目について、施設ごとの特性や状況を踏まえて、市民サービスに重点を置いた配点割合としていくべきではないかと考えるが如何か。
A4-4(契約管財局契約部委託・物品契約担当課長)
施設ごとの特性や状況を踏まえた評価項目の配点割合を整理するべきという委員のご指摘については、入札等監視委員会からも同様のご意見をいただいているところであり、それらのご指摘を踏まえ、企画・提案内容の競争性を高め、民間のノウハウを発揮することによって市民サービスのさらなる向上に資するよう評価項目や配点割合の見直しについて早急に検討を進めてまいる。
要望
言うまでもなく、指定管理者制度導入の目的の一つは民間の保有するノウハウを幅広く活用し、市民サービスの向上を図ることであり、そのためには競争性の確保に向けた取組は非常に重要である。
我が会派としても、この間、継続して指摘してきたところであることから、可及的速やかに検討していただきたい。
しかしながら、先ほどの答弁でもあったように、一部の施設で業務代行料が前回比で1.5倍以上となっている状況を考えると、過去に職員が直営で管理していたころと比べて、指定管理者制度を導入した現在の方がかえって経費がかかり、必ずしも公の施設に指定管理者制度を導入することが合理的な結果となっていなのではないかとも思う。
まずは、競争性の確保と市民サービスの向上に向けた取組に尽力いただきたいが、そういった観点での検証も今後、検討していただきたい。
11月15日
西 のりひと
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