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t「大阪市会財政総務委員会(予算委員会)」にて質疑⑦

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2023年3月14日



【指定管理者制度について】


Q7-1(令和4年度の応募状況について)

指定管理者制度について、これまで我が会派は、市民サービス向上のため、また、応募が1者のケースが増えている状況から、事業者の参入意欲を高めるため、適切な業務代行料の設定や事業者ニーズに合った公募の実施など、制度改善に向けた要望を行ってきた。

そこで、現状を確認するため、まず、今年度の指定管理者の応募状況について教えてほしい。


A7-1(契約管財局契約部委託・物品契約担当課長)

令和4年度においては、「扇町公園および扇町プール」、「北斎場および鶴見斎場」、「小林斎場および佃斎場」、「葬祭場やすらぎ天空館」の4案件について、指定管理者の公募を行った。

その応募状況については、2案件が1者応募、2案件が2者応募という結果であり、応募者が少ない状況である。


Q7-2(課題と対応状況について)

現状においても少数応募が続いている状況とのことであるが、この先、応募者がいなくなれば、施設の運営が滞り、市民サービスに多大な影響を及ぼす。

また、指定管理者制度の目的は、多様化する住民ニーズにより効果的・効率的に対応するため、民間の能力を活用して市民サービス向上を図ることであるが、応募者が少ないと企画・提案内容について事業者間での競争が働かず、市民サービス向上にも繋がりにくいであろう。
少数応募の要因として、事業者からは「業務代行料が低い」といった声もある中、適正な管理経費を確保し、事業者の参入意欲を高めることも必要である。
このような課題がある中、その改善に向けた取組の状況についてお尋ねする。


A7-2(契約管財局契約部委託・物品契約担当課長)

委員ご指摘のとおり、事業者の参入意欲を高め、市民サービス向上に繋げていくため、制度改善を進める必要があると認識している。

外部有識者で構成する入札等監視委員会から、令和5年2月27日に受けた「公正な入札契約の確保に向けた提言」においても、事業者ニーズを積極的に把握のうえ募集要項に反映し、競争性向上を図るよう、ご意見をいただいたところ。
こうした状況下、制度改善の取組として、まず、次期公募の前に事業者ニーズを調査のうえ公募条件を検討する仕組みを令和5年4月から導入することとしている。
また、適正な管理経費の確保に関しては、物価や、電気・ガス代等エネルギーコストの上昇への対応についてはリスク分担の協議事項としているため、具体的な取組方針を別途定め対応済みであるが、今後、施設の修繕費にかかるリスク分担についても対応方針の明確化を検討する。
賃金の上昇への対応については、指定管理者の指定期間は原則5年、大規模公園等では20年など長期に及び、施設管理業務に従事する労働者の賃金への影響も大きいことから、人件費の上昇に対する取組を、令和5年度上半期を目途に検討する。
また、施設ごとの特性や状況等を踏まえて市民サービス向上により重点を置いた公募を行うため、価格点の配点割合の運用のあり方についても検討を進めてまいる。


Q7-3(価格点割合の運用について)

事業者の参入意欲を高め、市民サービス向上に繋げていけるよう、今後、様々な制度改善に取り組まれるとのことであり、しっかりと進めてほしい。
ただいまの答弁で「価格点の配点割合の運用のあり方」について今後検討していくとのことであったが、現在本市では、指定管理者公募時の評価項目のうち「価格点」の配点割合は、100点中50点を原則としつつ、30点~70点の範囲で柔軟に変更できるようにしていると聞いている。
価格点は「原則50点」と高い割合だが、我が会派としては、市民サービス向上により重点を置いた公募を行っていくべきと考えており、これまでも、価格点の配点割合の妥当性を検証すべきと指摘してきた。
昨年12月の財政総務委員会での答弁によると、これまで価格点を50点以外に変更した事例は7施設とのことであったが、直近の事例として、今市会で指定管理者の指定にかかる議案を可決した、私の地元の「港区民センター」では、価格点を30点と設定し、指定管理者の選定を行ったと聞いた。
これについて、港区民センターで価格点を低く設定した理由をお尋ねする。


A7-3(契約管財局契約部委託・物品契約担当課長)

委員ご案内のとおり、現在本市では、価格点である「管理経費の縮減」の配点割合は100点中50点を原則とし、施設の状況に応じて30点~70点の範囲で柔軟に変更できるルールとしているが、多くの施設において、原則である50点の配点となっている。

港区民センターにおいて、価格点の配点を100点中30点とした理由について施設所管所属である港区役所に確認したところ、同センターは新施設への移転を予定しており、今回1年間の指定期間となるという状況下、管理経費の縮減よりも、施設の管理運営手法やサービス向上策、管理運営の安定性に重点を置くという考えのもと、価格点の配点割合を低く設定したとのことである。


Q7-4(人件費上昇への対応について)

施設の目的や状況に応じ、市民サービス向上に重点を置いた公募とすることで、価格以外の面での創意工夫を促すこととなり、事業者の提案意欲も高まり、競争性の向上、ひいては市民サービス向上にも繋がっていくと言える。今回の港区民センターの配点については、適切な対応だと考える。

指定管理者制度の導入以来、20年近く経費削減に取り組んできて、一定の成果はあったとは思うが、今後は他の施設においても、指定管理者制度の最大の目的である市民サービス向上に繋がるような価格点の配点となるよう、その妥当性について積極的に検証し、適切な対応を行ってほしい。
また、市民サービス向上を実現するには、適正な管理経費の設定も重要である。物価やエネルギーコストの上昇への対応は、すでに取り組んでいるとのことだが、近年は人件費も大幅に上昇しており、指定管理者の経営圧迫にも繋がる状況である。適切な施設の管理運営ができなくなり、市民サービスが低下するといったことは、あってはならない。適切な人件費についても確保すべきである。
お聞きしたところ、工事請負契約においては、労務単価の大幅な上昇に伴い、国からの要請に基づき、本市でも「技能労働者への適切な賃金水準の確保の取組み」を定め、賃金上昇への対応を行っているとのことである。
指定管理者制度においても、指定期間が長期になるほど、人件費の上昇による影響が、事業者のみならず労働者へのしわ寄せに繋がることも懸念されると言えるが、本市として、どのような取組を検討しているのかお尋ねする。


A7-4(契約管財局契約部委託・物品契約担当課長)

価格点の配点については、原則50点としているが、各施設の特性や市民サービス向上の観点から、事業者の新たな管理手法の提案や自由な発想の提案を求めることに重きを置き、原則50点に固執するのではなく、現在、運用実施している配点30~70点の範囲で、次期公募前に施設ごとに価格点の配点の妥当性を検証し、柔軟な対応を行うよう積極的に取り組んでいく。

原則50点の配点の妥当性についても、今後、他都市における価格点の設定状況や、本市の各施設の特性や状況、事業者ニーズも踏まえ、検証を進めていく。

また、指定管理者制度において、人件費の上昇への対応については、各年度の業務代行料を設定する際、適正な労働条件の確保に留意のうえ設定することとしている。

しかしながら、本市と指定管理者のリスク分担表において、人件費の上昇への対応については、具体的な取扱いを示していない状況である。

指定管理者制度における人件費上昇への対応として、名古屋市・横浜市・札幌市といった一部の政令指定都市では、人件費の上昇に連動して業務代行料を見直す「賃金スライド制度」を導入している事例もあるので、今後、導入都市における制度運用状況や課題の検証、また、本市の各施設の状況などを調査したうえ、本市においても導入の検討を進めていく。


要望8

繰り返し強調しているように、指定管理者制度の最大の目的は、民間のノウハウを活かし、市民サービスを向上させることである。

そのためには、市民や事業者のニーズによく目を向け、多くの事業者から有意義な提案をしてもらえるよう、参入意欲を高め、競争性の向上に繋がる取組を進めていくことが肝要である。
特に、指定管理者による施設運営が「安かろう悪かろう」にならないように、また、事業者が安心して参入できるように、この間我が会派から課題提起してきた「適正な管理経費の確保」や「価格点の配点の妥当性の検証」について、制度改善に向けてしっかり取り組んでほしい。



3月14日

西 のりひと

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