t八王子市立高尾山学園を視察

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2023年1月19日



1月19日(木) 晴れ


 会派の有志議員で八王子市立高尾山学園を視察しました。

 同学園は2004年4月「不登校児童・生徒のための体験型学校特区」の認定を受け開校しました。その後、省令改正などがあり、特区によらない不登校特例校になりました。現在、小学校4年生から中学校3年生までの111人が在籍しています。

 状況に応じ一人ひとりの心の安定を図り、適切な学習支援と集団生活の中で人間関係をよりよく保つ力を養う、生きることへの自信(基礎学力と社会性)を身に着けることを目的としています。

 八王子市内の小中学校で不登校になった児童・生徒が転入を希望する場合、まずは同じ敷地内にある適応指導教室「やまゆり教室」に通います。学校に通いたいという気持ちが高まれば高尾山学園で3段階の体験をし、一定時間以上の参加を経て転入学となります。

 ほぼ毎月転入学を受け入れるため、年度当初より年度末の方が児童・生徒が多くなるとのことです。

 朝は9時半始業、9時55分から1時間目が始まります。午前中に45分×3コマ、午後から45分×2コマの授業枠があります。中2、3年生は個別学習と一斉授業の2つのコースに分かれます。授業についていけない、と感じた児童・生徒は途中でも教室を出て「プレイルーム」に行ってよいことになっています。

 2013年に着任した民間出身の黒沢正明校長は3代目で、通年での転入受け入れや市教育委員会と連携した適応指導教室の設置、地域との交流などを進めてきました。敷地の片隅には畑があり、生徒たちは地域の人と一緒に農作業を体験しています。

 校舎内の壁には様々な掲示物がありました。校外学習で生徒たちが地域を訪ね歩いたときの様子をまとめたもの、写真をもとに点の密度を変えて描いた「点描画」、八王子市出身の有名人などです。

 不登校の児童・生徒を対象とした民間のフリースクールもあります。黒沢校長は「八王子市立の学校だからこそ、中学校卒業後の進路にも責任を持っている」と強調されます。高校への進学率は毎年95%以上、1年後の在籍率は85%以上となっています。中には自分に自信を持つようになり、高校や大学でリーダー的存在になる子もいるそうです。

 不登校といっても原因は人それぞれです。児童・生徒一人ひとりに向き合い、かつ心に寄り添いながら社会性と基礎学力をはぐくむ、との黒沢校長が示す学校経営の目標(ビジョン)を達成するための取り組み、大いに参考にさせてもらいます。

 おまけの1枚、不登校特例校として全国各地から視察がひっきりなしにやってくるとのことです。校舎の入り口にウエルカムボードがありました。

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