t広島県の3市を視察

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2021年3月26日


 会派の有志議員で広島県尾道市、広島市、呉市を視察しました。

 小津安二郎監督の「東京物語」や大林宣彦監督の「尾道三部作」など数々の映画の舞台で人気の観光地、尾道市は自転車愛好家に人気の「しまなみ海道」の起点でもあります。

 1日目にお邪魔した「ONOMICHI-U2」(写真1)は港の使わなくなった県営上屋を転用し、2014年3月に開業しました。建物内は自転車を部屋に持ち込めるホテル(写真2)、瀬戸内の海産物が楽しめるレストラン(写真3)、自転車修理・貸し出しの店舗などが入っています。

 地元に事業と雇用を生み出そうとした12年に起業した会社が県の事業提案コンペに応募し、選ばれたのが始まりです。事業主体が変わっても、社員の7-8割が尾道市出身と地元に密着しています。

 この施設ができる以前、観光スポットの集まる尾道駅の東側だけがにぎわっていましたが、今は駅の西側に人の流れを引き寄せる地域活性化の貴重な存在です。

 かつて米CNNテレビが「世界の最も素晴らしい7大サイクリングコース」の一つに選ばれたこともあってか、コロナ禍の前は宿泊客の3-4割が外国人客だったそうです。

 説明をしてくださった方と一緒に写真に納まりました。自転車に乗る人をイメージしたオブジェが印象的です。(写真4)

 2日目は広島市の宇品波止場公園、広島みなと公園を訪れました。

 宇品波止場公園(2.2ヘクタール)は旧陸軍が使った岸壁(写真5)の残る歴史のある地区です。こちらは船舶の大型化に岸壁が対応していなかったことや、港湾倉庫の老朽化が目立ってきたことから2004-05年と09-12年の2回、再開発をしました。

 第1弾は大型客船バースの整備や公園の拡張をしました。第2弾は商業施設を拡大したり、結婚式場やライブハウスを誘致したりと賑わいエリアを拡張、一帯は「宇品デポルトピア」(写真6)と名付けられました。

 広島みなと公園(10ヘクタール、写真7)は01年、埋め立て地に完成しました。野外イベントができる公園であるほか、ヘリポートがあり、災害時には物資輸送拠点や避難場所、仮設住宅の建設地としての利用を想定しています。

 目の前には広島港宇品旅客ターミナル(写真8)があり、瀬戸内海の各地とつながっています。広島市の海の玄関口、中心部へ向かう路面電車やバスの停留所、タクシー乗り場もそろっています。

 その後は海上自衛隊呉資料館「てつのくじら館」(呉市)を訪れました。同館は07年4月、潜水艦と掃海艇(機雷を除去する役割を持つ艇)の2つのテーマに絞った施設として開館しました。04年まで使われていた潜水艦「あきしお」(写真9)が展示物として圧倒的な存在感を見せています。

 第二次世界大戦が終わった後、日本各地の海に残った機雷を除去する作業が現在の海上自衛隊の前身となる組織によって進められました(写真10)。大阪に掃海作業をする部隊の拠点があったのは初めて知りました。

 1990年8月のイラクによるクウェート侵攻を引き金に91年1月に始まった湾岸戦争の終了後、海上自衛隊が同年6-9月にかけて掃海作業をしたことをご記憶のかたもいらっしゃるでしょう。当時の派遣部隊指揮官がクウェートからもらった勲章(写真11)が飾ってありました。

 「あきしお」の内部も見学しました。艦内のある日の食事を再現していました(写真12)。閉ざされた空間での実際の活動がどのようなものなのか、想像のしようもありません。「国の安全を守る」というのは決してたやすいことではない、と痛感させられました。

 おまけの2枚。お天気にも恵まれました。海側から見た宇品旅客ターミナル(写真13)と1909年建築の旧広島水上警察署(写真14)、被爆を乗り越えて今も残っています。

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