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t「大阪市会平成27年度決算特別委員会(一般会計)」にて質疑②

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2016年 11月 9日



【長期的な臨海部の景観形成について】

Q1-5(船から見た景観の形成について)

ただ今の答弁から、新しい周遊ルートや利用者が増加するなど、舟運の活性化が進んでいるようであり、船上がまちの景観を楽しめる新しい場所としての役割を果たすようになっていると思う。

又、「中之島ゲート」から下流においても水辺のにぎわいづくりが進んでおり、今後、「大阪港」においても、「舟運」の取り組みが拡大していくことになれば、水上からの眺めを意識した景観の形成が重要となってくると思う。

船上から見る景観の形成は、川沿いのまちなみや「大阪港」に愛着を持って頂くことにもつながる大切な要素だと思うが、港湾局としてこれまでどのような取り組みを進めてこられたのかをお伺いする。

A1-5(港湾局総務部開発調整課長)

今後、舟運の取り組みが進み、市民や観光客が水上からの景観を楽しむ機会が増えることになれば、水際の建築物等の水上からの見え方がますます重要になると考えている。

大阪港においては、港湾活動を支える様々な施設や荷役機械などが水際に存在している。これらについては、その機能を十分に発揮させることを第一としながら、水上からの景観を形成する要素であることに配慮した外観としていくことも重要であると考える。

景観形成に関してのこれまでの港湾局の取り組みとしては、平成13年度から15年度に、港の景観資源や視点場等の調査を実施するとともに、学識経験者の意見も伺いながら検討を進め、一定の整理を行ってきた。

これらの調査検討をもとに、水際の景観を形成する要素のひとつである、本市管理の81棟の上屋について、平成19年度から、定期的な塗り替えの実施にあわせ、ある程度まとまった地域ごとに定めた方針に基づいた色彩となるよう取り組んでいる。

Q1-6(上屋の色彩の考え方について)

港の景観形成の取り組みの先駆的な事例としては、静岡県の「清水港」があげられますが、「清水港」では、企業・市民・行政が連携して色彩計画を定め、20年以上にわたり、港湾施設や建物などのカラーリングを進めることで、調和のとれた港の景観を形成するに至っている。

今の答弁では、港湾局においても上屋の塗り替えにあたっては色彩に配慮して進めているようだが、どのような方針で取り組んでいるのか、又、よりよい景観をめざすためには、市の施設だけではなく、「清水港」のように、民間施設にも協力を求める必要があると思うが、「大阪港」での取り組み状況についても合わせてお伺いする。

Q1-6(港湾局計画整備部保全監理課長)

上屋の外壁の塗り替えの際には、エリアごとに橋梁や水門などランドマークとなるいわゆる主役を定め、その主役と調和し、際立たせる要素として上屋の色彩を定めている。

例えば、港区の安治川沿いのエリアにおいては、弁天埠頭など東側では、アーチ状の赤系統で塗装された安治川水門が、景観形成上特徴ある施設であるので、そのシンボル性を強調するため、色の鮮やかさを示す彩度を抑えた赤系統の色を、また、安治川沿いの西側エリアでは、ランドマークとなる天保山大橋が緑系統で塗装されているため、彩度を抑えた緑系統の色を、上屋の外壁に採用している。

このような考えに基づき、平成19年度から上屋の塗装塗り替えを順次実施しており、一定大阪港の景観の形成に寄与していると考えている。

委員お尋ねの民間の建物については、現在のところ、その取り組みには至っていない。

Q1-7(大阪港の景観計画での景観誘導について)

委員長、ここで資料の配布をお願いする。

( 資料1・2 議場配布 )

これは、築港及びその周辺エリアならびに安治川沿いエリアとその周辺における市の上屋と民間の倉庫の位置を示したものである。

市の上屋については、景観形成の方針をもって、外壁の塗り替えに取り組んでいるとのことであるが、資料からもわかるように、「大阪港」には、港湾局が管理する上屋の背後などに、多くの民間の倉庫が立地しており、これらの建物は、水上から見た景観を印象づけるものとなっているが、倉庫ごとにばらばらで、景観を意識した色彩になっている感じがしない。

つまり、市の上屋に対する取り組みだけでは、港の景観の形成に不十分であると思う。

市民に親しみをもって頂き、また来訪する海外の方々にも、好印象を持って頂くためにも、民間の建物などにも景観形成の取り組みを広げて行くべきではないかと思う。

ところで都市計画局では、先日、「景観計画」の変更案について、パブリックコメントを実施したようだ、この案の中で、臨海部の民間建物に対してどのように誘導しようとしているのか伺う。

A1-7(都市計画局計画部都市景観担当課長)

都市計画局では、大規模建築物等の新築や外壁の塗り替え等に際し、周辺景観との調和を誘導するため、景観計画において建築物の外観などに関する基準を定め、建築主に対して協議及び届出を求めている。

今般の景観計画の変更案では、市域を臨海区域、都心区域、一般区域に区分し、区域ごとに景観形成方針及び基準を定めるとともに、安治川を含む主な河川沿いなどでは、さらに上乗せして方針と基準を定め、地域の特性を踏まえた、より詳細な誘導を行うこととしている。

委員ご指摘の大阪港臨海部の民間建物に対しては、例えば「海の玄関口にふさわしい開放的で水辺に映える景観となるよう、建築物のデザインや色彩等に配慮する」、さらに河川沿いでは「対岸、橋上及び水上からの見え方に配慮し、水辺側に建築物のファサードを向けるなど、河川に沿ったまちなみ景観を形成する」といった景観形成方針を定めることとしている。

また、「周辺のまちなみや建築物全体の形態意匠と調和のとれた色彩とする」、「彩度は6以下とする」といった色彩に関する基準を、今回新たに定めることとしている。

このような景観形成方針や基準を満たした建物としていただくことで、水辺に映える景観誘導を図っていきたいと考えている。

Q1-8(大阪港の景観形成における民間との連携について)

海の玄関口にふさわしい水辺に映えるような景観を目指さすとのことであった。

この「景観計画」での大きな方向性に沿って、具体的に進めていくのは、「大阪港」の管理や臨港地区内の民間建築物に関する規制誘導などを行っている港湾局になると思う。

また、冒頭にも申し上げたが、来年の「大阪港開港150年記念事業」で予定する舟運事業や様々なイベントを契機として、事業者との絆を深め、景観形成に向けて機運を醸成していくことが大切であると考える。

港湾局においては、地域の市民や事業者の方々とともに、港の景観形成の取り組みをどのように進めようと考えているのか、局長の見解をお伺いする。

A1-8(藪内港湾局長)

大阪港の景観形成に関しては、港湾局として、これまで調査・検討を行うとともに、まずはできるところからということで、局が所管する上屋の外壁等の塗り替えに際して、景観に関する学識経験者のご意見もいただきながら、周辺環境に配慮して実施してきており、少しずつではあるが景観も変わってきたと感じる。

大阪港の活性化や賑わいづくりの面からも、港の景観形成への取り組みは大切であると考えている。

そのためには、公共の港湾施設のみならず、民間の倉庫などの施設についても、景観形成に向けた取り組みを広げていく必要があると認識している。

来年は、大阪港が開港して150年目の記念すべき年となる。

これを祝するために、記念事業や様々なイベントを市民・民間事業者の皆様とともに開催していくこととしており、現在事業計画を策定中であるが、そのなかでも港と河川をつなぐ舟運事業などの提案を頂いているところである。

今後、船上より港を見る機会も増えてくると考えており、委員ご指摘のような景観形成上重要なエリアなどにおいて、大阪市全体の景観計画を踏まえた上で、民間事業者のご意見もお聞きしながら、よりよい景観をめざしていく気運の醸成、景観形成の指針となるガイドラインの策定など、大阪港の景観向上に向けた取り組みを官民協力して進め、大阪港の魅力向上につなげてまいりたい。

要望1-2

港湾局としても、「大阪港」の景観形成に前向きに取り組んで頂けるとのことであった。宜しくお願いしたいと思う。

将来的には、港の色彩の方針となる、例えば「大阪港色彩計画」といったものの策定を目指すくらいの気持ちで取り組んで頂きたいと思う。

11月9日

西 のりひと

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