t豊中モデルの就労支援ついて

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2016年 6月 23日



1問目】

豊中モデルの就労支援についてお尋ねします。

まず、若者の就労支援については、ひきこもりやニートの若者を、就労を軸に支援する若者サポートステーションの財源が毎年不安定であるという課題が、立ち上げ当初よりありました。私たちの会派は若者サポートステーション事業の整備等に必要な措置が講じられる法律を作るよう、国に強く要望していました。各方面の方にご尽力いただき、平成27年度には、若者雇用促進法ができ、この法律により、若者サポートステーションの財源を安定させることができました。そこで、若者雇用促進法を、本市はどのように評価をされているのか、お考えをお聞かせください。

また、若者支援については、様々に課題があり、その課題に真正面から取り組み、解決の方向性を探っていくことが求められています。そして、その作業は非常に人と時間がかかります。たとえば就労を軸とした自立支援一つとっても、就労そのものの支援よりも、そこに至るまでの、ひきこもりの人を立ち上がらせる支援の方が、さらに、人と時間がかかるのではないかと思います。現在、本市は若者支援構想をつくり、若者の課題に対して、関係機関等と協働で、先進的な豊中モデルを作っていこうとされています。その取り組みの内容をお聞かせください。

また、この若者支援について先進的な豊中モデルを作ったとしても、最終的には、国の法制化がないと財源が安定しないと思います。その点についても、お考えをお聞かせください。1問目終わります。

答弁】

「豊中モデルの就労支援について」の3点のご質問にお答えします。 まず、「若者雇用促進法の制定にかかる市の評価について」ですが、これまで、地域若者サポートステーション、通称サポステは、厚生労働省の事業の1つとして位置づけられ、その運営にあたっては、当該年度の予算の範囲内で行う、単年度ごとの実施となっておりました。このため、相談・支援をはじめとして、セミナーや職場体験実習などサポートメニューを継続して行えない可能性があるという状況にありました。

昨年10月に施行された若者雇用促進法は、総合的かつ体系的な若者雇用対策を行うための法律とされており、この中で、国は、地方公共団体と協働して、働くことに悩みを抱えている若者に対し、サポステにおいて、その特性に応じた相談や職業生活における自立支援を行うこととしております。法律において、サポステの位置づけや役割が明確にされたことで、年度を超えて継続的で計画的な事業の実施が可能となることから、とよなか若者サポートステーションの推薦自治体である市においては、大変、高く評価しているところでございます。

2点目の「若者支援の取り組み内容について」ですが、さまざまな課題に直面する若者の社会的自立をめざして、昨年10月に豊中市子ども・若者支援協議会を設置し、市、国、大阪府のほか、NPOなど民間の団体等を含め、計51の団体、61人の構成員のみなさんと支援ネットワークを形成したところです。

また、相談窓口において聞き取った本人の希望や成育歴、学習歴をもとに、自立に至るまでの支援計画を作成し、この計画を多角的な専門分野から検証する会議を今年度4月に設置するとともに、相談窓口を拡充して家族相談やひきこもりの専門相談を実施しております。しかし、ひきこもりの状態の若者を訪問し、直接働きかける、いわゆるアウトリーチについては人材の確保が難しいことから、今年度より3か年の計画で養成する講習会を実施することとしております。

3点目の「安定的な財源確保と法制化について」ですが、現在、若者支援にかかる財源は、生活困窮者自立支援法の対象となる若者を除いて市の予算で賄っており、地域のみなさんや市民公益活動団体等の活動にも頼っているところが多くあります。

今後、将来の経済及び社会を担う若者の社会的自立にかかる取り組みについては、財源の確保を含め、国や大阪府に対して働きかけるとともに、基礎自治体としての責任を果たしながら取り組んでまいりたいと考えておりますのでよろしくお願いします。

2問目】

ひとり親の就労支援については、高等職業訓練促進給付金において、看護師や保育士などの資格取得制度がありますが、シングルマザーの場合、資格を取るために学校に通うだけでなく、子育てをしながら生活をしていかなければならないという現実があります。その点、本市における、ひとり親の自立支援である調理師を目指す就労支援は、食堂で雇用し、調理師試験を受験する資格を満たし、そのうえ、座学も学びながら、将来、飲食店で勤務する人や、飲食店を経営する志を持つ人を育て、毎年、調理師試験を区切りに、自立を図っていくというものです。私も視察に行きましたが、計数やお店作り、商品づくり等もプログラムに入っており、具体的に現場で役立つ内容で、民間企業で、数々の研修プログラムに参加した経験を持つ私から見ても、よくできたプログラムだと感心しました。本市の調理師を目指す豊中モデルの就労支援は、国において、どのような評価を受けているのか、お聞かせください。

一般的にいうと、お店の運営というものは、調理にしろ、接客にしろ、なんでも出来る人材を求めるもので、雇用しながら就労支援を行うということは、お店にとって、かなり負担が大きいのではないかと思います。端的に言えば、作業の邪魔になり、ひいては、お店のバランスシートも傷めることになるのではないでしょうか。そんな中で、就労支援に取り組んでいる事業者を、個人的には、よくやっていると評価していますが、この点、本市のお考えをお聞かせください。

また、就労支援事業を持続していくためには、このような就労支援に取り組む事業者を増やしていかなければならないと思います。その点、お考えをお聞かせください。2問目終わります。

答弁】

豊中市の調理師免許等取得事業の取り組みにつきましては、昨年度、厚生労働省から直接問い合わせがありました。本年度から国の高等職業訓練促進給付金等事業の対象資格に調理師免許が追加されておりますことから、ひとり親家庭の親の自立に向けて有効であると、一定評価頂いたものと考えております。

一方で、母子家庭の母親の約8割が働いているにもかかわらず、ひとり親家庭の貧困率が50%を超えている現状から、将来のステップアップの為であっても、資格取得のための費用を捻出することは非常に困難です。そのため、雇用による生活の下支えをしながら、実務と資格取得の両方を支援することが重要になります。加えて、生活や子どものことなど様々な悩みを持ちながら相談する相手が無く、孤立しがちな母子家庭の母親を精神的に支えることも必要となります。

就労困難者の支援におきましては、雇用するだけではなく、職業能力の向上や生活面のサポートを含めて個々の状況に応じたきめ細やかな支援が必要になりますことから、就労支援にご協力頂いている事業者は貴重な地域資源であると考えています。

ひとり親家庭の母親だけではなく、就業経験の少ない若者や障害のある人、高齢者などの支援にあたりましては、こうした協力事業者の存在が不可欠であり、地域の中で開拓・育成することが必要であると考えております。

3問目】

以前の本会議の質問において、企業と連携した、レジ訓練などの就労支援に取り組んでいただきたいと提案しました。この就労支援は、高齢者の就労支援においても可能であると考えますが、そのような取り組みは実行できるのでしょうか、お考えをお聞かせください。

また、様々な課題を抱える人や価値観を持つ人に、いろいろな就労の選択肢をつくる必要があると思います。そういう意味で、土佐町等と取り組んでいる農業を用いた就労支援に注目していますが、現在の取り組み状況と今後の方向性をお聞かせください。3問目終わります。

答弁】

ただいまの二点のご質問についてお答えします。まず、一点目の高齢者を対象としたレジ訓練等の就労支援につきましては、実際に高齢者を活用している事業主側からは、高齢者は豊富な経験や知識があるため、円滑な顧客対応が可能であり、安心して仕事をお願いできるといった評価も聞いております。 このことから、レジを含めた接客等対人サービスに関する就労支援は、高齢者に有効であると考えており、現在、国の事業を活用した訓練の実施について検討しているところでございます。

次に、二点目の高知県土佐町等の地方都市との連携事業につきましては、これまでに都市部では自らの力を発揮することができなかった若者など11人が土佐町を中心とした高知県に移住しております。また平成27年度には支援学校及び若者サポートステーションからの紹介で事業に参加した若者2名が、移住に向けて準備を開始していると聞いております。

今後は、土佐町以外にも、一人ひとりの状況をふまえたきめ細やかな受入れに協力いただける自治体とも連携し、農業や林業だけではなく果樹栽培や水産業等幅広い仕事において受入れに協力いただける地域及び事業者の開拓を行い、多様なニーズに対応してまいります。

4問目】

これからは就労支援のみならず、まちの魅力に人が集うという観点でも、いい仕事をつくりだすことを推進していくことが重要だと思います。これまで、南部地域の良さをいかした取り組みとして、緊急雇用や地方創生で様々な事業を行っていますが、今後どのような取り組みを考えられているのでしょうか。お考えをお聞かせください。4問目終わります。

答弁】

これまで緊急雇用創出基金事業や地方創生事業を活用し、ものづくり企業の集積地である南部地域の特性を活かし、就労困難者を対象に日本製カバン等のものづくり人材の育成に取り組んでまいりました。現在も、ものづくりに関心を持つ女性や若者等の就労困難者を対象にカバン等の革製品の職人育成に取り組んでおり、将来的には、職人育成だけではなく独立支援を行うことで、ものづくり職人の集積化を図り、革製品の産業育成につなげてまいりたいと考えています。

就労困難者の就労支援にあたりましては、民間事業者の協力が不可欠であることから、今後も引き続き、就労支援と産業振興が両輪となり取り組むことが必要であると考えています。

意見要望】

いい仕事を作るという観点で提案ですが、南部地域の魅力ある学校づくりの事業の中で、市有施設の活用の仕方が検討できるのであれば、手作り工芸のクラフト事業者を中心に支援する起業チャレンジセンターをつくってはいかがでしょうか。手づくりの工芸品を自ら作って販売し、クラフトを生業にしようと考える若者は、潜在的に多くいると推察されます。本市は、場所の提供と、共通で使用できる器具の設置等を支援する。新しい仕事が創出でき、若い起業者も集まってくるのではないでしょうか。クラフト事業者同士のマッチングも進み、新しい製品が生まれる可能性も大きくなると思います。多くのクラフト事業者が集まることにより、本市の就労支援も実行しやすい環境ができ、就労支援事業の持続可能性や就労の選択肢も大きく広がる可能性があります。クラフト事業者を支援する起業チャレンジセンターを南部地域につくることを検討していただきたいと要望し、この質問終わります。

平成28年6月 定例会 個人質問より。

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