t既成事実を積み重ねたがるのが日本人気質

2015.09.03



2020東京オリンピック・パラリンピックの開催にあたり、「競技会場」や「エンブレム」に関してのトラブルが、せっかくの祭典に泥を塗ってしまった感が否めません。そして責任の所在と責任の取り方が極めて不明瞭であるとの指摘が多く出されています。責任の取り方についてですが、そもそも日本人は責任を回避したがる民族性であるというが最近読んだ本に書かれていました。


 私の師匠の森嶋通夫先生が生前に繰り返し強調しておられましたが、このように原則に固執せず、既成事実に弱いというのが、政治家にかぎらず、日本人全般の特徴です。すでに起きてしまったことを受け入れ、「前向き」に捉えてなんとかうまく処理する態度を賢明だと考えます。


 逆に、原則に固執する人を毛嫌いします。これが先の戦争を引き起こした大きな原因であると森嶋先生は考えておられました(森嶋通夫『血にコクリコの花咲けば』朝日新聞社、一九九七年)。


『満洲暴走 隠された構造』(安冨歩著)P.92


安全保障法制をめぐる発言でも、「法的安定性は関係ない」と発言してすぐに謝罪した首相補佐官がいましたが、既成事実を積み重ねたがるのが日本人の特性であるとの同著の指摘は正鵠を射ているように思えます。


しかし公明党は、法的安定性こそが安全保障法制の眼目だと認識しています。公明党の真摯な取り組みがあってこその安全保障法制だと思います。


本ブログで引用した安冨歩著『満洲暴走 隠された構造』(角川新書)は、たいへん読みやすく歴史の真実を伝えてくれているように思えます。お薦めの一冊です。

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