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tリニア中央新幹線に思う、日本のグランドデザイン

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Posted on 2014年7月20日



新幹線の2倍のスピード「時速500㎞」で走る、リニア中央新幹線。東京・大阪間を1時間で結ぶこの技術は、電磁石を利用して動くため、二酸化炭素の排出量も航空機の3分の1。環境にやさしい技術です。

また、リニアのルートは東海道新幹線とは違い、東京から山梨、長野、岐阜、名古屋と、内陸部を走るため、将来、懸念される東海地震など大災害時の大動脈の確保という、災害に強い国家づくりとしても、大きな意味を持つ事業です。

しかし、現在の建設スケジュールによると、東京・名古屋間の開通は2027年。その先の、名古屋・大阪間は、それから遅れること18年後の2045年となっています。JR東海の資金力の問題ではありますが、しかしこのままでは、関西の地盤沈下がますます進んでしまうでしょう。それは、関西だけの問題ではありません。東京一極集中が進めば進むほど、地方経済だけでなく、日本全体の活力が失われていくことに繋がります。

リニア中央新幹線は、東京から大阪まで、同時開通する必要があります。経済界、自治体、そして国会、府会、市会の各議員があつまり、「リニア中央新幹線全線同時開業推進大会」でその決意を確かめ合いました。資金の融通を含めて、それぞれの立場で何ができるか、皆で知恵を出し合おうと言う会合です。そしてそれは、関西のためだけではなく、日本全体の発展にもつながるものと思っています。

現在、人口が増加しているのは東京都のみ。それ以外の全都道府県では、今後、ますます人口が急激に減少し、半数の自治体が消滅すると言われています。東京に若い世代がひきつけられ、若い世代が地方から東京に流入している傾向は、ずっと変わる兆しがありません。若年人口を東京都がひきつける。しかし、東京は決して出産・子育てのしやすい場所ではありません。出生率も、全都道府県の中で最低です。つまり、若者をどんどん引き寄せながら、次世代を減らしていく、東京は「ブラックホール」のような存在になっていると、増田寛也氏も指摘しています。地方を活性化させて、こうした状況を何とか食い止めねばなりません。

リニア全線同時開業によって、実は大きな影響をうけるのが、空の便です。関西国際空港、あるいは大阪伊丹空港は、現在、航空便がひしめき合い、滑走路が込み合っている状況です。つまり、地方は関西に航空便を乗り入れたいのに、なかなか「空き」が無い状況が続いています。もし東京・大阪間までのリニアが開通すれば、東京・大阪間の飛行機需要がリニアに置き換わります。そうすると、関空や伊丹の「空き」が生まれるんです。そうなると、その「空き」を利用して、地方と大阪との航空便が開通していくでしょう。これは、世界から関空、伊丹空港経由で、地方にアクセスが容易になることを意味します。つまり、地方と世界との距離が縮むことにも繋がるんです。リニアの開通は、日本全体への経済効果へと、波及していくこととなります。

今後の国土のグランドデザインとして、如何に日本を多極構造化し、災害や危機に強い国家を創り上げるかという視点が大事だと思います。東京オリンピック・パラリンピックだって、東京だけのイベントにしてはいけません。日本全国が元気になるようなイベントにしていくべきだと思います。こうした視点で、今後もこの議論に加わって行きたいと思います。

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