t5月21日(水) vol ・ 268 「満月の道」

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2014-05-22 Thu 21:10



 5月は、以外と雨の多い月で、
雨上がりのあとの草木が清新な
輝きを放つ日も、確かに多い。
......近所のけやき通りの花々も、
雨上がりの澄んだ空気の中で
輝いて見える。
足を止めて、思わずパチリ。......

この5月、宮本輝の新作――
流転の海・第7部"満月の道"」を
読み終える。......
あと2部、全9部で完結ということで、
いよいよ、この大長編も佳境へ。......
この家族の未来に暗い影を落としながら、
大河のようなこの物語も、
長江のような川幅となり、
様々な人間たちも終局へ。......
果して松坂熊吾一家の行く末は。......
この作品もまた、「満月の道」という
抒情的な題名に引っ張られながら
一気に読ませる宮本輝の筆力に、
感服。そして、感動。

ベストセラーのこの小説は
、戦後を生きたある一家の流転を
描くもので、たくさんの登場人物と合わせて、
昭和の時代を手探りで、もがくように生きる様に、
感動を覚える。......
先見えぬ中、時代の中を
必死で生きる人間群像。――
確たる道が見えずとも、前へ進む進む。
*
日本の国も、本市も21世紀初頭の
月明かりの中で、進むべき道を
模索している。
イデオロギーの力も衰え、
逆にITパワーは膨張し、
国家を飲み込む程に変化している。
......何もかも未来が
なかなか見えてこない。

こういう混沌の中にあって、
都市も国家も、「人間」という
原点に立ち戻り、根本的な価値を
見直す時だと思う。
こういう時にこそ、
政治が「満月の道」を
示さねばならないと思う。
私も、責任重大だ。......

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