t学力テスト日本一の秋田に行ってきました

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2013年 11月 15日



9月5日~6日 学力向上策を学びに、学力テスト日本一の秋田へ



一日目は秋田県立図書館

二日目は秋田県庁と秋田市立山王中学校に行きました

【秋田県立図書館】

一番印象に残ったのは学校図書館の支援策。

秋田県は学校図書館の利用率が低いことに対するアクションが、

題して「学校図書館ビフォーアフター」

職員が各学校へ出かけ2時間で図書室のレイアウトを一新する。費用もかからない。

効果的に本の置き方を変えると、子どもが本を手に取る率が飛躍的に上がる。

本の分類は興味別に。古い本を処分する。などの工夫と司書を置くことで図書室が楽しく本を読める空間にしていく。コツは図書担当の先生やPTAと共にレイアウトを行い「目からうろこ」の体験をしてそのあとも実践してもらうこと。

 

ビジネス支援も盛んで、企業に相談を受けると必要な資料をそろえてアドバイス。継続的にかかわり、新商品開発も数々

行動する図書館という感じ 大阪にも出張可能とのこと

 

 

~学力向上策~

2日目はいよいよ秋田の学力全国一の秘密を探ってやる

まずは県の教育施策を聞きましょう

【秋田県庁】

秋田県教育庁義務教育課の工藤主任指導主事に話を伺う

・秋田県は昭和30年代に行われた学力調査では全国で最低クラスであったことから教育には危機感があった。

・特に農村部と都市部の格差が激しかった。

・人口が増え便利になる中で格差も緩和されてきた

・平成20年の学力調査ではなぜか1位になっていた 特に無回答率が低い

 

生徒質問紙調査から特長をあげると

①家で学校の授業の復習をしていますか 中3で82.5% 全国比+33.9%

②携帯電話やスマートフォンをほとんどしない 58.7 +20.2

③授業の最後に内容を振り返る活動をしているか 80.7 +29.4

要するに、家に帰ったら復習をするのが当たり前の生活だということです。

 

なぜ秋田はそんなことができるの?

興味深い話を聞きました 

早寝早起き朝ごはんがということが全国で言われたが秋田はそれ以前から実践していた

=家庭生活が安定している

秋田は3世代住宅が多いので、家に帰ると祖父母の誰かがいることで

・家のことをする必要がないので自分の事(勉強)にすぐかかれる

・家族の目が行き届く

ということが言えるようです。事実説明してくださった指導主事さんの家も3世代。

携帯電話率の低さにもつながっているのではないでしょうか

それと「家庭学習ノート」の存在

各自が自分で課題(漢字や計算が多い)を決めてノートにやる習慣が長年定着

やらされるのではなく、自分でやるというところに意味がある 

自ら課題を見つけ解決のため努力する

秋田県のすべての地域どこでも行っているそうです。

あと「全国学力テスト」の扱いの違い

秋田ではほとんどの学校で生徒の答案をコピーして先生方が自主採点。学校独自で分析して弱いところは授業と夏休みの宿題に反映させる。そして秋には秋田独自の学力テストを行い弱点を強化できたか検証しているとのこと。教育委員会作成のデータ分析用のソフトも委員会のネットで公開しています。

大阪の教育改革のヒントがたくさん

次に「とにかく授業を見せてほしい」と飛び込みで無理にお願いした中学校の授業参観に

実はこれが一番楽しみ 百聞は一見に如かずですから

【秋田市立山王中学校】

 到着すると、近代的(表現が古い!)で大きな学校にびっくり

私たちが校内に入ると生徒さんが大きな声であいさつ 上の階の窓からも手を振ってくれる これだけで感激してしまいます

5時間目が始まると教頭先生の案内でなんと全クラスの授業を1時間かけて見せてくれるとのこと。これはうれしい

よそ行きでない日常の授業風景を見ることができる

 

 順番に一クラス5分ぐらいずつまわる。

校舎が広い廊下が広い 窓がすべて透明で廊下から全クラス内が一望できる

 さまざまな教科の授業を見て共通していることは

・オリジナルプリントを使って「調べる」「発表する」作業が必ず入ってる

・教え合いがある

・良く手が上がる

など授業中に生徒が活き活きと活動しているのが印象的でした

 クラスで必ず勉強が苦手な子がいるはずだと探しながら見ていました。

特別支援が必要な子も当然いるはずですし

教科書やノートを出さない子はいません。

でも作業になると手が止まってしまっている子が・・・

普通、彼らは一斉授業だとおいて行かれますが、授業中に必ずみんなで話し合って発表する「班学習」的な動きがあるので、その時に友達に見せてもらったり教えてもらったりしていました。

特に「教え合う」ということが自然にできる雰囲気がありました。

これはとても大事! 「わからないけど教師に質問する勇気もない」という子は多いが、授業中に「立ち止まる」時間を作ることで「わかる」子と「わからない」子が歩み寄ることができる。

T/T(チィームティーチング)よりずっと効果があるのではと思ってしまった。

 

 授業参観の最後は音楽です。

一週間後に「合唱コンクール」があるとのことでクラス合唱の練習です。もちろん指揮者も伴奏者も生徒です。

初めは一年生 みんな一生懸命歌います。「カゼをではないけどマスクしてます」的な子がひとり。ちょっと反抗期? 

自分が教師の時を思い出します 曲も定番のもの 

合唱は一年生ではまあまあかな

声変わりしきれてない男子の声量がもうひといき

 

 次は3年生がうたいます。

いきなり指揮と伴奏の雰囲気が違う!聞いたことない曲

歌い始めて鳥肌が立ちっぱなし 全国合唱コンクールの自由曲のような 完全に合唱組曲

男子もしっかり歌っています 混成4部合唱 不協和音もしっかり表現

思わず涙が

 

 授業参観後、校長・教頭先生と懇談

授業の感想を伝えたところ「うちはそんな上位の学校ではありません」との言葉に一同!

視察のためにセレクトされた学校とほかの議員さんは思っていたみたいで、選んだ理由を「秋田県庁に一番近い学校だから」と私が言うと一同2度ビックリ

教頭先生曰く「秋田県内の学校はみんなこんな感じです。うちも少し前まで荒れていましたよ。私の中学生の時もおなじ感じです」とのこと。

そういえば県庁の職員の人もそんなこと言っていたな

すがすがしく、心が洗われる思いで「山王中学校」をあとにしました。

 

 大阪の学力向上のヒントは

秋田で感じたのは一言でいえば「当たり前のことを当たり前にやる大切さ」です。

早寝早起き朝ごはんなんて一時全国で言われましたが、それが自然にできている

安定した家庭環境が明らかに学力にも良いと痛感しました

大阪とはたしかにとりまく環境が違います。

そしてその環境を変えていくのは至難の事であることは私も痛感しています。

しかしその環境を整える努力は何かできるのではないでしょうか。

橋下市長は競争と選択の理屈で学校選択制を取り入れ、学力テストの学校成績の公表に踏み切ろうとしています。

何か違和感がありましたが、秋田に行ってその理由がわかりました。

秋田ではテスト結果は徹底して分析して「教師の」授業に生かします。私立の学校はなく教育委員会の方針のもとすべての公立中学で同じ教育を行っています。それもいきいきと

テストの点を他校と比べるより分析して自校の課題に取り組むことの方が大事でしょう。

生徒のベースが違う学校の点数を比べることに何の意味があるのか。

比べるなら昨年の自校でしょう。

学校間の格差を生み出すことより、すべての学校で一定の教育が保障されていることが大阪全体の学力向上につながるのではないでしょうか。

 「学問に王道なし」「急がばまわれ」子どもにとって「暖かく子どもを見守る環境を整える」という「一番大切なこと」を本当に大切にすることが学力向上になやむ大阪にとって「一番大切」だと思いました。

学力向上のために点数だ競争だと学校に北風を吹き付けまた教師をあおって点数があがれば苦労しません

大事なのは「頑張りたい」気持ちを引き出すこと

「勉強しろ!」教師なら「点数あげろ!」といわれてやる気が出ますか?

教育委員会にはもっと心に響く言葉を言ってほしい

 

 校内でいじめをしたら警察に突き出すなんてやればますます見えないところでやるようになります。本当はいじめの事実をつきとめるまでが勝負なのに。

本当のいじめ予防は、生徒が正直に教師に打ち明けられる関係づくりであり

いじめ対策は心に響くまで粘り強く指導し続けるしかないのですが。

わかっているのかな大阪の教育委員会は。現場感覚が感じられなさすぎる!

 北風が強く吹けば吹くほど旅人は固くコートを握りしめ、

太陽がポカポカと温かく照らし続けるとついに旅人はコートを脱ぐ。

強制すればするほど固く心を閉ざしてしまう。

外的な働きかけより内的なアプローチが大切 

市長と市教委はそのことから逃げないでほしい。

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