t68回目の「終戦記念日」に思う

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中国から戻ってきて、昨日の大阪での活動のスタートは、68回目を迎えた「終戦記念日」の街頭演説でした。

先の大戦で散ってしまった我々の大先輩の思い。それは、「戦争ほど、残酷なものはない。戦争ほど、悲惨なものは無い。」であったはずです。我々は、二度と戦争を繰り返してはいけません。しかし、そうした思いとはうらはらに、我が国を取り巻く安全保障環境は、ますます厳しさを増しています。南西海域における中国軍の活動が活発化、韓国では対日感情が悪化、またロシアとの北方領土問題も解決の糸口がつかめていません。
われわれの多くは、既に戦争を知らない世代です。こう言うかもしれません。「もっと強くあたるべきだ。いざとなれば、戦争も辞さない、そんな覚悟で外交交渉にあたるべきだ。」でも、それが先人たちの思いでしょうか。戦争は、決して手段にはなりません。戦争になってしまえば、戦場で倒れる兵士の後ろには、等しく、子どもを失って悲しみに暮れる母親の涙があります。最愛の人を失って、悲嘆にくれる女性の姿がありあす。戦争は、決して手段とは、なり得ません。

日本と中国の間において、「今そこにある危機」とは何か。それは、周辺海域で、何かの拍子で、「小競り合い」が始まることです。ちょっとした武力衝突が起こることです。そしてその「小競り合い」が、意図しないうちに、エスカレートしていく。拡大していく。このシナリオを、何としても、避けねばいけません。数多くの戦争は、こうした偶発的な衝突から始まるんです。
こうした武力衝突を避けるため、また衝突がエスカレートしていくのを避けるためには、ホットラインが必要です。双方がすぐに連絡できるホットラインです。何か事が起こった時に、それが「事故」なのか、「意図的」なのか、事態のエスカレートを先方が望んでいるのかどうか。それをすぐに確認できる、ホットラインが必要です。これを、「海上連絡メカニズム」といいます。
日本は、韓国との間も、ロシアとの間も、この「海上連絡メカニズム」を持っています。しかし、中国とだけはもっていないんです。日中間において、衝突のリスクを軽減する、戦争を回避するためにも、「海上連絡メカニズム」が必要です。われわれ公明党は、率先して、こうした具体的な措置に取り組んで参ります。

我々公明党の結党の理念、その一つの柱が「平和」です。自民党との意見の違いもあります。集団的自衛権、憲法改正、国防軍、などなど。われわれ公明党は、68年前の不戦の誓い、またその精神を根底におきつつ、変えるべきところは変えていきます。守るべきものは守っていきます。そのためには、大いに議論をすべきです。公明党の役割は、日本の政治が行き過ぎないためのブレーキ役であると同時に、日本が世界の平和構築を推し進めるためのアクセル役にあると思います。
「平和ほど、尊きものはない。平和ほど、幸福なものはない。」結党の理念に「平和」を掲げるわれわれ公明党、これからも世界の平和、そして地域の平和と安定のために、努力して参ります!

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