t2013年7月1日月曜日

主張/党女性防災会議の提言/要援護者の避難万全に/交付金創設し災害対策の充実を

公明新聞2013年4月30日付

主張/党女性防災会議の提言/要援護者の避難万全に/交付金創設し災害対策の充実を 

公明党女性防災会議は先週、安倍晋三首相宛ての「女性の視点を生かした災害対策についての第2次提言」を菅義偉官房長官に手渡し、実現を要請した。

今回の提言は、2011年11月、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の3県を除く全国658の自治体で公明党女性議員が実施した「女性の視点からの防災行政総点検」を基に行った第1次提言に続くものだ。

第2次提言のポイントの一つは、中央防災会議など国の災害対策に関する会議の構成員の3割を女性委員にするとともに、地方防災会議の女性委員の登用状況を公表するよう求めたことだ。

東日本大震災では、避難所の運営が男性中心になり、女性が授乳や着替えをする空間が確保されなかった。女性にとっては、大きなストレスになった。防災・復興計画の意思決定の場に女性が参画して、きめ細かな視点で発言、検討してもらわなければ同じような過ちを犯してしまう。

二つ目は、災害対策基本法改正案の早期成立を求めたことである。国会に提出されている同改正案は、自力では避難が難しい高齢者や障がい者、妊婦など災害時要援護者の名簿作成を市区町村に義務づけるなど、公明党の主張が随所に盛り込まれている。

要援護者名簿については、個人情報保護の問題がネックとなり、作成している市区町村は6割程度にとどまっている。改正案は、災害時には要援護者の同意がなくても必要な個人情報を提供できるとしており、成立すれば名簿作成が大きく進むと期待されている。

三つ目は、全ての自治体が確実に災害時の要援護者体制を構築できるよう、交付金の創設を提案したことだ。

政府の調査では避難訓練を全く実施していない自治体は約4割に上る。要援護者に参加してもらい日常的な避難訓練に取り組まないと、車いすなど避難に欠かせない用具がどの程度必要か掌握できるのか疑問だ。保管場所も決めなければならない。そのための財政援助を政府が責任を持って進めてもらいたい。

提言ではほかに、子どもたちが自分の身を守る力を養うため、学校での防災教育を教科化することや、消防車がたどり着けない被災現場で消火活動が期待される消防バイクの普及・拡大などが盛り込まれた。

災害は平時からの万全な備えが重要だ。政府はスピード感を持って対策を実施してほしい。

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